大学受験生を持つ保護者、家族、親の心得や子供との接し方、アドバイスなど、実際に体験されたかたの体験談を集めました。
東京都在住の50代の専業主婦です。家族は夫と子供2人です。
子供とは常にどのような大学に行きたいのかは話をしていましたが、親はもっぱら聞き役で、子供が「こうしたい、ああしたい」という話をいつも聞いていました。私も夫も自分の意見は言いますが、一番大事なのは本人の意向なので、それを大切にしたいと思っていました。
子供が行きたい大学に関しては、私がオープンキャンバスに付き添って行ったりしましたが、それも私の出身大学だったからで、他の大学は子供が一人で行っていました。
大体高校2年生の夏休みには志望大学が決まり、オープンキャンバスで担当教授と話しをすることができたこともあり、秋頃にはどうしてもその大学に行きたいという希望が固まっていたようです。全て本人の意向で、親は一切口出しはしませんでした。
私の頃と受験制度が全く変わり、自分の母校でさえいろいろなことが変わっていました。
私は大学受験の現在の状況については全く知らず、一通り大学受験案内は読みましたが、くわしいことは全て本人に任せていました。親が口出しをしたり、準備に付き合うのは中学受験までだと思っていたからです。
大学受験の情報収集まで親に頼っているようでは、先が思いやられると思っていました。
高校2年生の夏休みから塾に通い始めました。それより前、高校1年生の冬頃からは通信教育で英語と論文の添削も受けていました。どれも本人が自分で選びました。塾もいくつか通って体験講座などを受けていましたが、その中で自分に一番あった塾を選んだようです。
特に予算は決めていませんでしたが、一番かかったのは塾代でしょうか。毎月4万円くらいかかりましたので、年間48万円それに模試代やら夏期講習代やらがかかったので、年間60万円くらいは払っていると思います。うちの場合は高校2年生の夏休みからでしたので、これが1年半続きました。
本人がとても意思の強い子供だったので、何でも自分で決めてその目標に向かって努力する姿勢は、親が見ても本当に尊敬しました。
試験本番が近くなると、その真剣さはものすごく、声をかけてはいけないくらいなオーラを放っていました。ただこれも両刃の刃で、親としてはこれだけ一生懸命になっているのに、もし失敗したらどうやってフォローしようかと心配しました。
我が家はたとえそれがどんな大学であろうと、本人が行きたいと言えば応援するという方針でした。
ですからその大学に入っても入らなくても親としてはどちらでもよかったのですが、とにかく本人の希望がかなえばいい、とただそれだけを思っていました。
毎回模試の成績がよく、志望校の判定もいい結果を貰っていたので、本人の喜ぶ顔を見るのが親としてとても嬉しかったです。
ただ一番大事なのは本番ですので、それまで風邪を引かせたり病気にならないようにするのに、大変気を使いました。
またどうしても本人の気持に浮き沈みがありますので、家ではとにかく明るい雰囲気を作るように心がけました。
【大学受験を迎えるお子さんをもつ方へのアドバイス】
大学受験になってくると、親が出来るのはおいしい食事をつくったり、風邪をひかないように気をつけるくらいのことしかありません。
勉強のことは本人に任せて、後は雰囲気作りに専心するのでいいのではないでしょうか。私の子供は現役で第一志望に入りましたが、勝因は「どうしてもこの大学に入りたい」という非常に強い意思だったと思います。
本人が強い意思を持ちさえすれば、その気持は効果的な勉強につながると思います。
模試の成績で思ったような結果が出なかったり、子供がのんびり構えていたりすると、どうしても親としてはやきもきすると思います。
ですが本人がやる気にならない限り、受験勉強は前には進みません。そしてそのやる気スイッチを押すのは、けっして親ではないのです。
親がいろいろ言えば言うほど、本人のやる気が削げてしまう場合もあるので、ここは言いたいことをぐっと押さえて本人に任せてみる、というのもいいのではないでしょうか。そしてそれが結果的にはいい方向に進むと思います。
我が家の場合は本人が非常に思い詰めるタイプだったので、勉強面での心配はありませんでしたが、メンタル面での心配を非常にしました。
どこのご家庭でもいろいろあると思いますが、是非お子さんの力を信じて、そっと見守ってあげてください。